2017年5月3日・4日・5日の日程で標記大会が、三木ホースランドパークにおいて開催されました。立命館大学馬術部からは丹羽れい・菱田遥(4回生)選手、岡林蘭丸・伊達潤一(3回生)選手、城戸優希・薬師うい(1回生)選手と、障害に5頭、馬場に6頭が参加しました。
5月3日 第1競技 Lクラス障害飛越競技A【H-100cm以下】
薬師選手以外の5名と5頭がエントリー。結果は4回生2名と龍緑・龍晨は丁寧な走行により満点でゴール、人馬ともデビュー戦となる城戸選手・龍蘭および岡林選手と龍冥は減点8、伊達選手と龍咲は減点9となりました。団体戦のため上位3選手の合計減点8となり団体6位となりました。足慣らしではありましたが、減点があった人馬は課題の修正、満点の2選手も出番前の調整など後の競技に向けてポイントの確認をしました。
5月4日 第2-1競技 複合馬術競技〔障害飛越(ダービー)〕【H-110cm以下】
城戸選手と龍蘭は障害減点4で上位15頭の枠に残り、明日の馬場への出場を決めました。丹羽選手・龍緑、菱田・龍晨は、複合競技用の水豪で物見をして同障害で残念ながら失権となりました。両馬とも障害馬で、ダービー競技として設営されている水壕・バンケットの馴致が不足だったことが物見の要因ですが、ライダーの対応にも課題があり今後の練習方法を改善したいと思います。
5月4日 第3競技 Mクラス障害飛越競技D【H-110cm以下】
薬師選手と龍咲は順調な走行を見せていましたが、経路違反で失権となりました。同選手の大学デビュー戦はほろ苦いものとなりましたが、この失敗を肝に銘じて二度と同じミスは犯さないように指導したいと思います。
5月4日 第6競技 馬場馬術競技A【JUEF学生賞典馬場馬術課目2010】
初コンビとなる薬師・龍舞が1位との得点が0.186%の僅差で2位、丹羽・龍旺が3位、
また、人馬とも馬場デビュー戦の城戸・龍景が6位、岡林・龍踊が8位、初コンビとなる城戸・龍駿が9位、馬がデビュー戦となる菱田・龍星が11位の成績でした。
薬師選手は1回生ではありますが、これまでのジュニア大会での経験を活かし、ほぼノーミスの騎乗をみせてくれました。今年で4年目となる丹羽・龍旺コンビは安定した演技でしたが、常足と細かなミスで得点を落としました。城戸選手はこれまで馬場馬術はほとんど経験がなく、大学入学後に本格的に始めました。龍景も今回がデビュー戦でしたが、実績馬でありライダーを助ける動きで入賞致しました。城戸選手は早く馬に追いついてもらいたいと思います。龍踊はもっと点数が付く馬なので、岡林選手には馬場の基本姿勢や扶助の正確性を求めます。城戸・龍駿の初コンビは現状では同馬のベストな運動とは相当な差があるので、早期に馬場的な騎乗を習得してもらいたいと思います。最後に、こちらも今回がデビュー戦となった龍星と菱田選手は、随所にスケールの大きさやダイナミックな動きを見せましたが、前半ハミ受けが過度になり輪乗りで馬が逃避するなど、また速足がイレギュラーになり大きく得点を落とす結果となりました。同馬は日本において十分な運動がされていなかったこともあり、3月の合宿では前進気勢が不十分な状態でしたが改善されつつあり、練習では非常に良い動きを見せていただけに残念な結果でした。今後さらに乗り込み、主戦馬として大きな期待を抱かせる馬であり,全日本学生予選に間に合うよう調整を行いたいと思います。
5月5日 第2-2競技 複合馬術競技〔馬場馬術〕
【JUEF全日本学生総合調教審査2010】
馬術に進出した城戸・龍蘭は、練習でも非常に柔らかく大きな動きを見せ、高得点が期待されました。しかしながら、本番で経路違反を犯し減点されてしまいました。馬場の結果は2位、障害、馬場の総合得点で最終成績は4位になり、経路違反の減点がなければさらに上位に入っていただけに大変残念な結果となりました。採点競技において防げる減点なので城戸選手は1点の重みをしっかり受け止めて、今後の競技に活かしてもらいたいと思います。
5月5日 第8・9競技 Mクラス障害飛越BⅠ・Ⅱ【H-130cm以下】
菱田・龍晨は総減点18。ゴール前の最後の連続障害を3連続で落下し、コースをスムーズに回るという点では不満が残る走行でした。練習での単発飛越はいいのですが、試合になるとまだぎくしゃくした走行になっており、ライダーの走行慣れも大きな要因だと思われます。岡林・龍冥は総減点42。上手くハミに掛けないと、逃げたり止まったりする難しいところがある馬ではありますが、岡林選手は拳での操作に頼らず推進によって馬を動かすことを目指して欲しいと思います。
5月5日 第10競技 Lクラス障害飛越競技B【H-90cm以下】
伊達選手と龍咲は減点0、タイム差で4位。大学から本格的に始めた同選手は頑張って騎乗していましたが、望むならより正しいコース取り・障害前のアプローチ・飛越姿勢などをしっかり行って欲しいと思います。その基本がさらなるレベルアップに繋がります。
今年は1回生を新人戦には出場せず、通常競技である全関西学生馬術大会にエントリーすることに致しました。新人戦出場選手は全関西学生競技にはエントリーが出来ない縛りがあリ,また団体として3選手が必要であるため、残念ながら人数が揃えられないことなどを鑑みて決定致しました。また、今回初めてデビューする馬が3頭おり、うち2頭に1回生を騎乗させることに致しました。このような状況下においては、今回の成績を上出来だと見ることも出来ますが、今後限られた部員で上位入賞を目指すためにはあえて厳しい目で結果を受け止めなければならないと考えております。1回生の2名には即戦力との自覚を強く持って、平素の練習、今後の競技に臨んでもらいたいと思います。
あと、技術面では障害も馬場も共通ですが、競技場や競技中の対応がまだまだ不十分だと感じました。試合経験が不足していることもあり1人での対応や、いざという時の判断など馬の不穏な動きの察知と事前対応などが劣っていると感じました。
これらは経験によって養われる部分が大きいのですが、現状は、部員数・予算など厳しい運営の中、限られた試合の出場にならざる得ない環境です。
そこで、今回は夏の全日本学生予選前の6月3日に三木HLPで実施されます、国体リハーサル大会に障害・馬場ともにエントリーすることが吉田監督の英断で決まりました。
各選手はこの機会を最大限に活かさなければなりません。そのためには、日々を無駄にすることなく、今回不十分だった点の改善、馬とのコンビネーションの合致、自身の騎乗姿勢・扶助等の見直しなどに努めてください。1ヶ月での更なる飛躍と成長を期待しています。最後になりましたが、ゴールデンウイークにもかかわらず応援に駆けつけていただいた、山崎部長、前川OB会長、広瀬先輩、湯澤くん、そして各選手の親御様、ありがとうございました。また、大会前日から練習を見て、騎乗調整をしていただいた篠宮招聘コーチ、全てを統括し、適切な指導をいただいた吉田監督、お疲れ様でした。感謝いたします。
さらに、OB会の皆様におかれましては、選手一同これから夏の大会、秋の全日本学生に向けて、ますます向上して参りますので、引き続きご支援よろしくお願いいたします。
立命館大学体育会馬術部
コーチ 阿部 憲二
今回は阿部コーチより学生、OBの方々に向けて報告書を作成して頂きました。
各競技全般をコーチの立場から冷静に観て頂くと同時に、また私とは違った観点で選手・馬匹の現状を判断しお伝えすることが出来ればと思い無理をお願いすることに致しました。大変参考になり有難う御座いました。選手達には是非熟読して頂くことを望みます。
今後ともご指導のほど宜しくお願い申し上げます。
立命館大学体育会馬術部
監督 吉田 和正