第48回関西学生賞典障害馬術大会
第48回関西学生賞典馬場馬術選手権大会
第51回関西学生馬術選手権大会
第49回関西学生馬術女子選手権大会
日 時/平成25年7月13日~15日
会 場/三木ホースランドパーク
第1日(7月13日)
女子選手権大会(予選・部班運動)
出場選手/高島 香織(3回生)
各学校から15選手(3選手シード・1選手棄権)が3ブロックに別れて、部班運動でポイントを競った。同部からは高島選手が出場し、無難な騎乗でAブロックをトップ通過。馬匹は違うが全体でもトップのポイントで、順当に勝ち上がった。
選手権大会(予選・部班運動)
出場選手/宇賀神沙夜(4回生)、湯澤悟志(3回生)
各学校から30選手が10ブロックに別れて、部班運動でポイントを競った。同部からは男子選手に混ざって唯一人の女子選手として宇賀神選手と、初出場で湯澤選手が出場。
両選手騎乗の馬匹はともに癖の強い馬。宇賀神選手は先頭で良好な騎乗。湯澤選手は最後尾で苦労しながらも丁寧にまとめた。結果、両名ともにブロックをトップ通過。特に宇賀神選手は全体でも1人、50ポイントを超える53ポイントの高得点をあげた。
第2日(7月14日)
障害馬術大会
出場人馬/宇賀神沙夜(4回生)龍冥・龍綾
昨日の臨時大会打合会において、当初予定されていた本日の第1走行と翌日の第2走行競技を、“暑さによる人馬の安全”を考慮して、本日の第1走行に併せて変更実施することが決定された。よって、障害競技は本日のみとなり、基準も標準中障害A【H-125cm以下/W-140cm以内】に変更のうえ実施された。
同部からは宇賀神選手が龍冥・龍綾の2頭乗りで個人戦に出場。結果、龍冥は4落下の減点16で13位、龍綾は同じく4落下とタイムで減点18の16位となり、2頭ともに全日本学生への出場権を獲得した。
内容としては龍冥は低い飛越になった障害での落下であり、龍綾は脚部不安の影響と先月末の総合馬術で力走した疲れもあったと思われる。ただ、両馬とも同競技で上位を狙える力量があるので、秋までに馬のコンディションを整え、コース走行でのリズム・人馬の呼吸をマッチさせる訓練を十分に積んで本戦に臨んでもらいたい。
学生賞典馬術大会
出場人馬/宇賀神沙夜(4回生) 龍伯・龍舞
高島 香(3回生) 龍踊
澤島 雅(2回生)龍駿
同部から3選手・4馬匹がエントリーして、団体優勝・個人優勝を目指した。結果、宇賀神選手と龍舞が最終得点率61.305%で同率1位も総合観察0.5ポイントの差で惜しくも2位となった。ただ、5審判のうち4審判は得点率・総合観察とも龍舞を上位としている点からも、まとまった演技だったと判断出来る。逆に同選手が騎乗したもう1頭の龍伯は、テンションが上がり演技が乱れ、本来の実力が発揮出来ず58.722%の5位となった。一方、春以降、人馬のコンビネーションがアップしている残り2頭は、高島選手・龍踊が斜手前でのフライングチェンジでミスがあったものの、リズムのいい演技を見せ60%超の60.277%の最終得点率で3位。澤島選手・龍駿はまだミスはあるものの、無難に演技をまとめ9位に食い込んだ。この個人の成績を受け、団体戦では各選手騎乗の上位馬3頭の合計を団体得点とするため、宇賀神選手・龍伯をカットした残り3頭の得点3204.0が団体得点となり、2位に約200ポイントの差をつけて団体優勝を果たした。
他校を寄せつけず団体優勝を飾った要因は、春よりも龍踊・龍駿の成績がアップしたことで、各選手の努力やコーチングの結果と評価出来る。今後、秋に向けては各運動をしっかり洗い直し、馬術演技としての精度をさらに上げてもらいたい。そして、本番では団体・個人ともに全国での上位を狙って欲しい。
女子選手権大会(準々決勝・馬場馬術)
出場選手/高島 香織(3回生)
12選手が4ブロック(1ブロック3名・4馬匹)に別れて、学生選手権馬場馬術課目2000にて準決勝を争った。駈歩の一部で拍車によって馬が暴れたが、全体を上手くまとめてブロックでトップを取り、明日の準決勝に駒を進めた。また、同時に全日本女子選手権への出場も決めた。
選手権大会(準々決勝・馬場馬術)
出場選手/宇賀神沙夜(4回生)、湯澤悟志(3回生)
30名から一気に12名に減ったなか、女子同様の内容で4ブロックに別れて準決勝進出を争った。両選手ともに癖馬のため途中で馬が暴れて苦労をしたが、各ブロックでトップを取り、明日の準決勝に残った。また、同時に両選手は全日本選手権への出場も決めた。
第3日(7月15日)
女子選手権大会(準決勝・複合)
出場選手/高島 香織(3回生)
4選手が2ブロックに別れ、学生選手権馬場馬術課目2000とLB【90cm以下】障害の複合競技にて争った。結果、馬場は60.454%(相手53.636%)、障害は減点4(相手減点5)で見事に決勝進出を決めた。
選手権大会(準決勝・複合)
出場選手/宇賀神沙夜(4回生)、湯澤悟志(3回生)
4選手が2ブロックに別れて複合競技で競うもので、内容は学生選手権決勝馬場馬術課目2000とLA【100cm以下】障害。組合せ抽選の結果、同部の宇賀神・湯澤両選手が同じブロックとなった。馬場は宇賀神選手の最終得点率58.985%に対して、湯澤選手は52.391%。障害は逆に宇賀神選手減点20に対し、湯澤選手が減点1であった。両種目のポイント換算の結果、総合計は宇賀神選手387.0、湯澤選手360.5となり、宇賀神選手が決勝に進んだ。内容は馬場の経験豊富な宇賀神選手がリードを守った形となったが、初出場でしかも馬場馬術経験がほとんどない中、湯澤選手の健闘が光った。この経験を今後の競技に活かして、さらにステップアップしてもらいたい。
女子選手権大会(決勝・障害)
出場選手/高島 香織(3回生)
ここまで安定した騎乗で勝ち進んできた同選手。決勝はLA【100cm以下】障害で騎乗馬は同部の馬匹アラモアナ。雨が強くなりコンディションが悪化するなかのジャンプであったが、結果は高島選手が2落下で減点10に対し、相手選手は減点を5.5に押さえた。最終成績は残念ながら準優勝となったが、馬場馬術においては出場選手の中で最も高得点率を挙げており、課題は障害の経験不足かと思われる。今後は障害競技においても良績が期待される同選手。臆することなく障害に向かうハートと技術を鍛えて、さらなる高みを目指して欲しい。
選手権大会(決勝・障害)
出場選手/宇賀神沙夜(4回生)
男子選手に混ざり唯一人の女子選手として、ここまで見事に勝ち上がってきた同選手。決勝はMD【110cm以下】障害飛越競技。さらに雨が強くなる中、同選手は落下とタイムで減点19、相手選手は減点11で走行したため、惜しくも2位となった。同選手も馬場馬術においては、高得点率を挙げているので、準決勝・決勝での障害ミスが悔やまれるところ。また、障害競技でも全日学生出場も決めているので、改めて自らの誘導やジャンプ、コース走行をチェックして、秋までに精度アップを図って欲しい。また、総合成績で湯澤選手は3位に入った。
総括
今大会は吉田監督がご都合で臨戦できないので、不肖ながら私が入厩からの4日間の立会いをいたしました。十分に役目が果たせたとは思っておりませんが、大きなトラブルや事故がなく無事終了できたことに安堵しております。また、各競技において選手たちが平素の訓練結果を発揮して、全ての大会で全日本学生大会への出場を決めてくれたことは大変喜ばしく思っております。
さて、今大会で私が一番に感じたことは、部としてチームとしての一体感です。同大会の時期はまだ学期中であり、大会後すぐに前期試験が控えていると聞きます。そこで、大会には選手を含め出来る限り少人数で臨み、厩舎に相当数の部員を残して馬匹の世話と授業に出席することを重視した形となっていました。大会では参加者少ない分、各自の負担は大きくなっていましたが、皆で協力しながら作業や練習、講習会・打合会、競技・馬付・使役等を行っていました。このような考えは、監督の指導によるところが大きいと思われますが、部員も趣旨を理解してよく実践できていたと思います。
さらに、部員だけではなく、競技面では、萩原OBがずっと帯同して馬匹調整と選手指導を担当してくれ、新川OBはいつものように作業や打合会の面倒を見てくれて助かりました。
今回の配置に見られるように、先ず部員が部活動と学業をしっかり意識すること、さらに部活動のクオリティを落とさず学業と両立するために、如何に効率よく行動するかを考え実践することは、部員一人一人のスキルアップと部の成績向上に必ず繋がるものと思います。そして、OB・OGは自らがその経験者として、可能なサポートを行うことが肝要だと改めて感じた次第です。
最後になりましたが、多忙の折にも顔を出していただいた吉田監督、広瀬先輩、新川・藤室・三橋その他のOB・OGの方々、保護者の皆様、暑い中ご足労いただき感謝しております。ありがとうございました。
では、秋と冬の馬事公苑での活躍を期待して、ここでまとめとさせていただきます。
競技会専任コーチ(監督代行)
阿部 憲二